Q,鍼灸やマッサージの仕事はだれでもできるの?
A,人の健康を守る仕事ですので厚生労働大臣の国家免許が必要です。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師と呼ばれる身分免許で、高校を卒業した人が3年以上、専門学校や大学で医学の専門教育を受けた後に、それぞれの国家試験を受けて合格すると免許証が与えられます。ここでは、あん摩・マッサージ・指圧を「マッサージ」と省略しますが、巷には無免許のマッサージ店が溢れていますので注意してください。もちろん、当院のスタッフは全員がはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の国家免許を保有しています。
Q,院内感染が気になりますが?
A,当院では、スタッフ全員に検温、マスクの着用、手指消毒などの感染対策を徹底しています。来院される患者さまにも同様のご協力をお願いしています。受付にはアクリルパネルを設置し、待合室の椅子はフィジカルディスタンスを確保しています。また、院内は空気清浄機による換気を徹底し、手の触れる所や機材・器具は次亜塩素酸水(殺菌水)による清掃や清拭を入念に行い患者さまごとに使用するタオル・治療服を交換しています。
Q,鍼(はり)は清潔なの?
A,当院で使用している鍼は製造過程で滅菌・封入された使い捨てのタイプ(ディスポーザブル)です。したがって血液や体液で汚染されている心配は一切ありません。しかも、当院では、一人の患者さんに1回使用した鍼は鍼を抜いた後、全て廃棄していますので、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などが院内で鍼から感染するリスクはありません。
Q,鍼(はり)は痛くないの?
A, 治療で使う日本製の鍼は基本的に痛くありません。ただ、特有の感覚(ひびき)が患部や周辺に感じることがありますが、慣れてくると心地よいものです。また、刺すときに「チクリ」と感じることがありますが注射と比べるとわずかです。なぜなら、直径が細いからです。皮下注射や筋肉注射で使う針の直径は1㎜前後、中国針は0.4㎜前後なのに対し、当院では直径0.16~0.2㎜と注射針の5分の1以下の細い鍼を使用しています。日本製の鍼は、鍼先も痛みを和らげる形になるよう精巧な技術が施されています。
Q,鍼灸やマッサージの効果を教えてください。
A, 鍼灸やマッサージには血液循環や新陳代謝を促進したり、自律神経系-ホルモン系-免疫系のトライアングル(恒常性保持機能)を正常に戻したりする作用があります。したがって、循環障害や自律神経のバランスが乱れが原因で起こる様々な症状を改善する効果があります。例えば、肩こり、目の疲れ、体のだるさ、頭痛、頭重、めまい、疲労、腰痛、便秘、不眠、食欲不振、月経痛、冷えなどといった不定愁訴に有効です。また、五十肩、変形性膝関節症、手足の痛み・しびれ、捻挫の後遺症などの整形外科系疾患、リウマチ、慢性胃炎、脳卒中後遺症、本態性高血圧などの内科系疾患、うつやストレスなどの心療内科系の疾患・症状にも効果があります。
Q,鍼灸は不妊症に効果がありますか?
A,鍼灸治療には血流を改善したり免疫やホルモンの働きを調整したりする作用があります。骨盤内の血流やホルモンのバランスが改善すると卵巣や子宮内膜の環境が良くなります。その結果、卵は良質となり数が増え受精も着床もしやすくなります。つまり、鍼灸治療には、妊娠を促す作用のほか妊娠した状態を長続きさせる効果も期待できるのです。
当院には日本不妊カウンセリング学会認定の不妊カウンセラー(鍼灸師)がおります。不妊でお悩みの方、高度生殖医療を利用されている方はお気軽にご相談ください。患者さんの体調や背景を丁寧に伺い、受けている治療のステージに応じた的確なアドバイスをさせていただきます。治療を希望される方には、その方に合った安心、安全な治療を提供します。
なお、ご相談を希望される方は基礎体温表、検査結果、これまでの治療経過などの資料がございましたら是非お持ちください。
Q,病院で受けている病気に鍼灸やマッサージを併用しても大丈夫?
A, 現代医学と東洋医学を組み合わせる統合医療の考え方は欧米では標準的になりつつあります。病院やクリニックで受けている病気に対する補助的な治療として鍼灸やマッサージを併用すると、薬の量を減らせたり治療期間を短くしたりする効果が期待できるからです。当院では積極的に統合医療を推奨しています。
Q,鍼には副作用がありますか?
A, 鍼灸はクリーンで人に優しい治療です。体表に現れる心身の変調(コリ)や病的な組織に対して穏やかな刺激を加えることで自律神経系やホルモン系のバランスを整え、もともと人間に備わっている病気を治す力(自然治癒力)を高める安全・安心な治療法です。薬のように病気を抑え込む強い治療ではありませんので副作用はありません。ただ、刺激量が多すぎると治療の後に体がだるくなることがありますが、数時間ないし一晩寝ると解消します。
Q,鍼で事故が起こるリスクはありますか?
A, 日本製の細い鍼を正しい方法で用いれば医療事故が起こるリスクは基本的にありません。ただ、病気の知識や臨床技術が不十分な施術者が誤った刺し方をすると気胸などの思わぬ事故を起こすことがあります。したがって、臨床経験が豊かな鍼灸師のいる治療院を選びましょう。本院では、大学で長年、臨床に従事しているベテランの鍼灸師を各曜日に配置し、その下でトレーニングを積んだスタッフとともに施術に当たっています。
Q,マッサージにはリスクがないの?
A, マッサージは一定の圧を体に加える行為ですから圧の程度や揉み方しだいでリスクが生じます。国民生活センターには手技の施術で健康被害を受けたという事例が1年に200件ほど寄せられていますが、中には骨折などの重症例も含まれています。これらの事故の大方は施術者の技術の未熟さによるもので、国家免許を持たない整体やリフレクソロジー業者の施術で多発していることが指摘されています。
Q,揉み返しがあると聞きましたが。
A, マッサージは心地よい感覚を与えることが基本です。心地よい施術は交感神経の活動を抑えて心身の緊張を和らげるほか、オキシトシンの分泌を促して幸福な気持ちを呼び覚まします。反対に痛い施術では真逆の反応が起きますので害あって利なしです。よくある「害」が揉み返しです。揉み返しは一種の挫傷ですが、押したり揉んだりする力が強すぎるだけでなく、皮膚や筋肉に垂直な圧をかける技術の未熟さが原因になることが多いようです。
Q,鍼治療の方法にはどんな種類があるの?
A, 大きく分けると、患部のツボやコリに刺入した鍼に、電気を流す方法(鍼通電療法)と流さない方法に分かれます。一般的には電気を流さず、刺入した鍼に軽微な刺激を加えたり10分前後「置きばり」にしたりします。一方、当院では、肩こり、腰痛、手足の痛み・しびれなどに対して、刺した鍼に弱い電流を流す方法をお勧めしています。症状によっては二つの方法を組み合わせて行うと、より効果的です。
Q,鍼通電療法をもう少し説明してください。
A, 「パルス療法」とも呼ばれます。患部の組織に刺入した直径0.2ミリほどの細い鍼に1ミリアンペア前後の非常に弱い電気を15分ほど流す安全な治療法です。使用する周波数は通常1ヘルツですので、1秒間に1度、軽く叩かれた感覚がありますが、刺激量を心地よい程度に調節して行いますので安心・快適な治療です。この鍼通電療法は「Q鍼治療の方法にはどんな種類があるの?」で述べました「置きばり」に比べ、血流の改善や筋緊張を緩める効果が高いという研究結果が出ています。
Q,脳卒中で固くなった手足が鍼灸で柔らかくなりますか?
A, 当院では、脳卒中後の片マヒで固くなった手足の筋肉を和らげる目的で鍼通電治療器を用いた神経パルス療法を行っています。治療の後、肘や手を伸ばしやすくなって服を着せたり脱がせたりする介護が楽になります。また、歩幅が広くなって歩く速度が上がったり、腕や足のだるさが改善する効果も期待できます。
Q,マッサージの種類や方法を教えてください。
A, 当院では、疲労回復のための全身マッサージや美容を目的としたマッサージのほか、医療マッサージとして、関節マッサージ(肩関節、膝関節など)、眼精疲労マッサージ、結合織マッサージ(内臓疾患に対する施術)など、多様なマッサージを提供しています。必要に応じて、体毛との摩擦による痛みを避けたり、深い所の組織に刺激を加えやすくしたりするためにクリームやオイルを使うことがあります。
Q,在宅で鍼灸やマッサージを受けることはできますか?
A, 片麻痺や関節炎などで通院が困難な方は健康保険を使った訪問施術を安い料金で受けることができます。この制度を使うには、かかりつけ医から同意書を発行してもらう必要があります。一方、自費で訪問施術を受ける場合は同意書の必要はありませんが、施術料金に交通費や往診時間のコストが加算されますので、利用される前にご相談ください。
Q,一回あたりの施術料金はいくらですか?
A, 当院の料金体系は時間制で、30分3,000円、60分5,500円、90分8,000円が基本です。ただし、「治療院会員」になりますと60分と90分の料金がそれぞれ1,000円割引になります。一方、研修生(国家免許保有者)が施術する場合は60分3,000円、90分4,500円となります。また、当院で学ぶ臨床実習生(専門学校の学生)が教授陣の指導の下で行う施術は60分1,000円で提供しています。詳しくは料金表をご覧ください。
Q,「レジデントコース」を教えてください。
A, 当院では、鍼灸マッサージ師の研修生(レジデント)を受け入れています。研修生は国家免許を既に取得しているプロの施術者ですが、実地のトレーニングを兼ねていますので、施術料は通常料金の半額ほどです。この料金プランが「レジデントコース」です。もちろん、教授陣の指導の下で行われますので良質で安全な施術が提供されます。
Q,確定申告のための領収書は発行してもらえますか?
A, 当院では来院された患者さま全員に無料で発行しています。